テーマ:環境・文化
温暖化・流域治水対策特別委員会の県内調査
2011年8月16日
温暖化・流域治水対策特別委員会の県内調査
投稿者:目片信悟 テーマ:災害に強い交通インフラ、ライフラインの整備 コメントはまだありません
8月9日、県議会 温暖化・流域治水対策特別委員会の県内調査に行ってきました。
この委員会では、地球温暖化や環境、また河川などの流域治水について調査研究する委員会です。
9時半に県庁を出発し初めに訪れたのは、あるハウスメーカーで研究開発されているCO2±0住宅開発の取組についての調査です。
ソーラー発電を中心に、室内の電球のLED化などで消費電力を抑えまたオール電化の導入などによりCO2の排出をゼロに抑えるというものです。また太陽光発電で得られた電気を売電、そしてその料金など一元管理しながら温暖化防止に役立つ住宅として研究開発されていました。
また、天候の変化や夜間の電気確保のために蓄電技術も考慮するなど今後の低炭素社会実現に向けて大変期待できる取組であると思いました。
ちなみに価格的には手の届かないと感じるほどではなかったので、今、国で議論されている電力の全量買取制度などが整備されると普及する可能性は十分考えられます。
続いて向かったのは、長浜市 姉川流域の切り通し施設です。
切り通しというのは、堤防の一部に道路が通ってる為、その部分が堤防の機能を有していないことから人工的に堤防機能を持たせるというものです。
増水などで危険な状態になった時に、地域の防災組織の皆さんで木材と土嚢によって堰き止めます。
課題としては、そうしたことをどのような基準のもと行うのか、また作業する人材をいかに確保するかなど徹底する必要があると感じました。
もちろんのこと、水深などの基準については看板を設置し、常に地域の皆さん方が高い意識のもと水防について取り組んでおられるということでした。
次に米原市 天野川流域です。ここでは避溢橋、霞堤、輪中堤を調査しました。
避溢橋とは、道路や鉄道などが通常の高さより高いところを通る際に、盛り土をして嵩上げしたりまた橋脚で高さを確保しますが、特に河川流域において盛り土をすることにより、水が溢れた場合にその水が盛り土によって堰き止められ、水が引かないということがあります。過去にもそうしたことが発生したことから新幹線建設の際地元の要望もあり、高架橋によって建設されたわけです。こうした高架橋を避溢橋と呼んでいます。
また、天野川流域では通常の堤防の外側にもう一つ堤防があり、大雨の際にその外側に水を逃がすということが行われています。これが霞堤です。水量が減少するとそこからまた本流に水が流れるという仕組みです。
これは先人の知恵、昔から大水に苦しんできた人々が考えた究極の治水対策と言えるかもしれません。
そして今度は集落を人工的な堤防で囲み水害から守るという輪中堤。
昔から河川流域に住居されている方々は、自らの生命や財産を守るためにいろいろな知恵を出し、取り組んでこられたんだと改めて感心しました。
現代の流域治水では、これら先人の知恵に加えて様々な対策を講じて、より安全で安心できる治水対策を目指していかなければなりません。
もちろん周辺環境への配慮も必要ではありますが、何よりも大切なのは流域住民の皆さんの生命や財産です。
そうした皆さんが安心して生活できる治水対策を今後も調査研究していきます。
目片信悟
(めかたしんご)
詳細プロフィール
- 滋賀県議会議員
- ・常任委員会:総務・企業常任委員会
- ・議会運営委員会:議会運営委員会
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